どんなスキンケアを使っても、肌に何もトラブルが起こらないという人は、それだけでカナリ幸せですよね。
化粧水でしみたり、痒くなったり、赤くなってしまったり...
化粧品が原因と思われる肌荒れを経験したことがあれば、コスメを選ぶときにパッケージによく確認して低刺激や敏感肌用と表示してあるスキンケアを選びますよね。
しかしこの低刺激や敏感肌用という表示にハッキリとした基準がないことをご存知ですか?
実はメーカーの独自基準での低刺激や敏感肌用と表示されているだけで、表示するための条件やルールは決まっていないのです。
敏感肌用・低刺激性のスキンケア表示にルールがない?
敏感肌用や低刺激性化粧品の表示をする基準は、化粧品メーカーの基準で自由に決めることができます。
例えば化粧品のモニターテストで「1000人中3人が肌に合わなかった従来の化粧水A」「1000人中1人だけが肌に合わなかった新しい化粧水B」を比べて、化粧水Bを敏感肌用処方の化粧水としてパッケージします。
「1000人中20人が、ピリッと刺激を感じる美容液A」と「1000人中15人がピリッと刺激を感じる美容液B」を比べて、美容液Dを低刺激性美容液としてラベルを貼り付けます。
敏感肌用化粧品の口コミでも、「私には合いませんでした」「痒くなった」「赤くなった」という口コミがあるのは、このような理由が考えられます。
だから「口コミで『痒くなった』『赤くなった』という意見を見かけたから試さない」というのは、可能性を
データ上では刺激を感じる人が少ないスキンケアとして選ばれているので、敏感なあなたの肌に合うかもしれないし、合わないかもしれない。
敏感肌処方や低刺激性化粧品という名前がつけられているから安心だというわけではないのです。
やはり試してみないとなんとも言えない…というフワッとした表示だということになりますよね。
だから「敏感肌用スキンケアは信じられない」「低刺激性は意味がない」などと極端な反応をして欲しいわけではないんですよ。
正しい知識を踏まえた上で、ネットの口コミや広告を鵜呑みにして、情報に流されてしまわないように自分に合ったスキンケアの選び方を新しい習慣にすることをオススメしたいんです。
植物性成分は安心?安全?
敏感肌用や低刺激性のスキンケア化粧品に、「植物由来成分配合」と表示されていることが多いので「植物由来の成分は肌に優しいんだろうなぁ」と思っていませんか?
もちろん、ハーブのようなリラックス効果を持っている植物や、マイルドに作用する植物由来のスキンケア成分も多くあります。
しかし、植物の中にはアレルギーが起こる可能性のある成分や、命の危険に関わる毒素を含む植物もあります。
肌へのダメージが心配される「毒性テスト」は、細胞や皮膚モデルで実施され、危険な成分は排除されているので、化粧品に危険な成分が配合されていることはありません。しかし、植物由来成分=安全という考え方は、ズレているかも…。
植物エキスが入っていると「なんだか良さそう」?
見慣れないカタカナや記号が並んでいる化粧品成分の表示に、知っている植物の名前があると「安心」しますよね。
植物エキスは、植物をアルコールなどにつけて化合物を抽出して作られます。マイルドな作用の成分が多いのですが、名前の印象がよいために使われることもあります。
「7種類のハーブエキスを配合」とか「桜の花エキス」や「シャクヤク花エキス」などなど、イメージが良いですよね。
ここで植物エキス=肌に優しいという広告イメージ戦略にのせられてしまう可能性もあるわけです。
敏感肌処方スキンケアや低刺激化粧品で「防腐剤無添加」「パラベンフリー」「界面活性剤フリー」など無添加の表示を見かけますね。
1970年代後半に黒皮症などの化粧品公害が社会問題となった歴史をご存知ですか?
この肌トラブルから、化粧品に含まれる防腐剤などの添加物が問題視されたのです。
当時、いち早く無添加化粧品を作り出したのがファンケル化粧品で、「肌に良い製品しか使わない方針」で開発を続けて敏感肌でも安心できる原料を使い、安全性や効果のテストを行うようになったのです。
この無添加化粧品が大ヒットしたことで、化粧品業界では「無添加」というキャッチコピーが定番となったのです。
無添加なら安心?安全?
「無添加」「不使用」のキーワードが安全・安心のシンボルのようなイメージになりがちですが、無添加なら誰でも安心で安全なスキンケアができるのでしょうか?
答えはNOです!
無添加よりも大切なことは、自分の肌に何が合わないのかを知ることです。
「この化粧水を使うと痒くなる」「赤くなってしまう」という敏感肌の悩み、私もよくわかります…。
色々な化粧品のトライアルセットで試行錯誤をして、やっと「自分に合わない成分」を絞り込むことができるのですよね。
化粧品でトラブルがあった時、皮膚科へ相談してみると「自分に合わない成分」のパッチテストを受けることができますよ。
保険外診療となるのですが、自分に合わない成分をアレルギーと同じように特定することができます。
「合わない成分」がハッキリ分かっていれば、化粧品の全成分を確認して「合わない成分」が含まれていないものを選べば良いわけです。
皮膚科へ相談してパッチテストをすることは、一見するとコストもかかるし遠回りに感じるかもしれません。
しかし、一度使って肌に合わなかった新品同様のスキンケアが棚に並んでしまうコストと比べれば、近道かもしれませんよ。